私と同じ40代後半の女性で、私と同じように離婚で苦労した女性がいます。
唯一の違いは、子供の存在です。
私は子供がいませんが、彼女には子供がいます。
そして、そのために彼女は私よりもずっと離婚で苦労をしました。
友人のMさんが離婚をしたのは、31歳の時でした。
一人娘を抱えながら、夫の暴力に耐える日々だった彼女ですが、とうとうその暴力が娘さんにまで及びそうになったために離婚を決意したそうです。
ですが、子供を抱えての離婚に彼女の両親は反対し、経済的にも難しく、どうしたら良いのかわからなくなってきた彼女は、1度距離をとるために別居をしました。
ところが、夫はそのことに激怒し、すぐに離婚を決めたそうです。
おまけに、娘さんは渡さないと強気な発言をして、弁護士まで立ててきたのです。
Mさんは夫の暴力の証拠を掴もうと考えていましたが、怪我はたいしたことがなくて、すぐに完治してしまうものばかりでしたし、娘さんは怪我もしていなかったため、周囲が暴力に気がつくことさえなかったそうです。
親権も取られそうになったそうですが、予想外のことがあり、親権はとられずにすみました。
それは、7歳の娘さんの証言です。
本来なら、子供の証言というのは15歳以上にならなくては聞き入れられることがありません。
ですが、娘さんは父親をひどく怖がり、母親への暴力をすべて見ていたのです。
父親の姿を見るだけで怯える姿に、親権をとられることはありませんでした。
ですが、離婚をした後の生活は決して楽なものではなく、仕事を掛け持ちしながら、なんとか娘さんを育てあげたそうです。
ですが、経済的なものよりも精神的なものの方が辛かったと彼女は言っていました。
仕事を探すにしても、住むところを探すにしても、離婚をして子供がいることは、どこか周囲から軽く見られることがあるらしいんです。
心ない言葉を言われたことも、1度や2度ではなかったそうです。
それでも頑張ってこれたのは、ひとえに子供がいたからだと彼女は笑顔で言いました。
自分のためだけだったら耐えられなかったかもしれないけれど、子供のためを思えば耐えることができた。
そう話す姿は、とてもたくましく感じました。
女性にとって離婚をすることは、経済面の苦労なら想定できる人もたくさんいるでしょう。
ですが、精神面での苦労というのは、なかなか理解されないという実情もあるのです。
離婚理由について詮索されたり、いわれのないセクハラめいた発言を投げつけられたりと、かなり辛いことを経験する人もいます。
特に、彼女のように小さな子供を抱えての離婚は、子供から父親を奪ったというイメージがあるようなのです。
Mさんの話を聞きながら、もし、身近に子供を抱えて離婚を経験した女性がいたなら、その精神的な辛さも理解してほしいと思いました。
子供がいることで感じる精神的な離婚の苦労