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自分のプライドを保つために3年間つき続けた嘘

私は18歳から21歳までの3年間、ずっと嘘をつき続けてきました。
高校生の頃、私は優秀でした。成績もテストの結果も常に学年トップ。
そうなると、勉強が楽しくなり、ますます成績が維持される、という好循環になり、私自身も同級生たちも、私が成績トップにいることが当たり前のように捉えられていました。

しかし、大学に行ってまで勉強をしたいかというと、そうではありませんでした。
それに、大学に行くにはお金がかかります。
母子家庭の身で勉強にお金と時間を投じるよりも、早く社会に出て働いた方が得ないのではないかとずっと考えていました。
なので、18歳、高校卒業と同時に私は就職しました。

ところが、いざ就職してみると、仕事は私の良い予感をことごとく裏切ってきました。
職種は求人票に記載のものとは異なり、自分に合うと思われるポジションでの仕事ができず、人に商品を押し付けるような営業方法にもいつも疑問を持っていました。
人間関係も悪く、中学生みたいな幼稚ないじめや悪口、上司によるパワハラやセクハラなんかも横行していました。

私はそんな環境にガッカリしましたし、また、自分自身にもガッカリしました。
何しろ、仕事が「全然」できなかったのです。
私はコツコツ地道に勉強するタイプでしたが、当時の仕事は明らかに、一夜漬けタイプに向いた業務内容で、短期記憶が苦手な私はミスばかり。

しかも自分に不向きな接客業に就かされたため、緊張でさらにミスが増え、怒られ、自己肯定感が下がり、さらにミスが増え…という最悪の循環に陥っていました。
そんな自分のことを、私は「恥ずかしい」と感じていました。
常に成績トップで、順風満帆だったはずの私が、会社でミスを繰り返して怒られてばかりいるなんて、誰にも知られたくない。
だから私は、学生時代の友人に会ったときも、うまくやっている他の同期の話を自分に置き換えたりして話しました。
あくまで、「たまにはミスをするけど、やりがいはあるし、前向きに頑張っているよ」という体裁を保ちたかったのです。

しかし、もちろん友人たちはそんな無茶な嘘はつきません。
自然体で、「こういう仕事をしている」「同期や先輩たちと飲んだ」「こういうミスしちゃってさ~」と気楽に話してくれます。
それを聞くと、私は自分の状態と自分の嘘が浮き彫りになるようで、よりみじめでした。
だから、友人たちとの距離も次第に離れていきました。

今、転職して、様々な会社や人生があることを知ってからは、あの3年間のことを客観的にみられるようになりました。
だから、あの「恥ずかしい」3年間も「笑い話として」嘘ひとつ混ぜず人に話すことができます。それが一番嬉しいです。

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