私が幸福になるために実践していることはシンプルに生きることだと言えるかもしれません。もし、どんな人生を送りたいか自分に問いかけた場合、多くの人は「学歴もあり、家柄も良く美貌にも恵まれ、周囲の人に賞賛される人生を送りたい」と考えるのではないでしょうか。
そして、周りの人と比較してそのようなものが得られていないと思うとき、あまり幸せじゃないと感じるのかもしれません。
確かにそういったものがあればよいのかもしれませんが、お金や評価など外形的なものばかり追い求める人生では息がつまってしまいます。
例えるなら、それは根のない花のようなもので、地面にしっかり根をはっていない花はいつしか枯れてしまうのです。植物が花を咲かせるのは、見えない地面の下で奥深く根をはっているからであり、目に見えないものが大切なのではないでしょうか。
人に対して羨ましいと思ったり、「私は幸せじゃない」というような気持ちが浮かんできたときには、自分自身を見つめ直す時間をもつようにしています。自分自身についてよく知ることが大切であり、色々なことをノートに書き出すのがおすすめです。
ドミニック・ローホーさんの「ゆたかな人生がはじまるシンプルリスト」という本は、自分自身を見つめ直すときにとても参考になります。
ドミニック・ローホーさんはこの本において、多面的な方法で自分を見つめ直すことを勧めています。
人はさまざまな視点をもつものであり、時には自分に関して矛盾が生じることもめずらしくありません。「何が好きか・嫌いか」「どのような夢をもっているのか」「理想の人は誰か」といったことを書き出していくと、知らなかった自分に気づくことができるのです。
たとえば、人に対し「羨ましい」という感情が生まれるときには、自分の中の未開発の部分が刺激されているのかもしれません。そのような感情が生じたときには、自分を責めるのではなく、時間をかけて自分を探っていくと、新たな視点が得られます。
そうした気づきを自分の人生に生かしていくと、いつしか羨ましいという感情も消えていて、充実感が得られるようになるのです。
幸福になるとはシンプルに生きること、自分を見つめ直し、不要な気持ちを手放すことと言えるかもしれません。それは時に簡単ではないように思えますが、どんな人にも限界があり、いつかはこの世を去っていくのです。その事実に思いをはせれば、地中に深く根をはった、自分だけの花を咲かせようと思えるようになるのではないでしょうか。