社長には絶対逆らえない!恐怖政治のような会社
私が20代の頃、正社員で働いていた食品会社の話しです。
そこの会社は家族経営で社長の奥さんが専務、叔父が常務、叔母が工場長という構成でした。
自社ビルを建てたくらいなのでそれなりに儲かっていたのだと思います。
社長のお宅は地元でも有名な豪邸でした。
確かに原価が数百円のものを何万で売っているんだから、儲かるはずです。
そんな状況にもかかわらず、ボーナスは1度も出たことがありませんでした。
・毎朝会社の教訓を大声で叫ぶ
まず、毎朝朝礼があります。社員が順番で司会を務めます。
そこで会社の教訓を大声で叫びます。それに続いて社員が復唱します。
声が小さいとやり直しです。教訓は暗記していないといけません。
間違ったり、忘れたりしたら、朝礼後、社長室行きです。会社愛がないと罵られます。
・社長の発言で社員が振り回される
次に社長の思いつきの発言で社員が振り回されます。
ある日、朝礼の最後に毎日同じ内容でお前達は何も考えてないのか?と怒鳴り始めました。
要は、オリジナルで気の効いたことを言えということです。
次の日から司会者は最後に一言、自分の言葉で何か言わないといけなくなりました。
苦痛で仕方なかったです。
ところが、数日立つと時間の無駄だからそんなものは必要ないという始末。
誰も社長には意見出来ないので、静まりかえって終わりです。
・離職率が高い
まさに恐怖政治のような会社でした。
そんな会社だったので、離職率がとても高かったです。
特に営業職は新卒でも1年もつ人は3割。3年もつのは1割くらいだったと思います。
とにかく社長の売上に対する圧力がすごかったからです。
売上が悪い営業さんに「血尿が出るまで死ぬ気で売れ」と怒鳴り散らしていました。
今なら確実にパワハラです。
新卒の人にこんな怒り方をしたらみんな恐縮してしまいます。
・社長の印鑑を頂かないと出荷出来ない取引先がある
私は仕事柄、社長と関わることはあまりありませんでした。
しかし、出荷の際、社長の印鑑を頂かないと出荷出来ない取引先が何軒かありました。
社長印をもらいに行く時は緊張で脇あせをかき、手が震えました。
同僚の子が、うっかりミスで社長印をもらわずに出荷してしまったことがありました。
後日、そのことが発覚し、本人と上司の女性も社長室に呼ばれました。
他の階まで聞こえる怒鳴り声がしました。
本人は号泣で、上司は過呼吸で倒れてしまったのです。
救急車が呼ばれました。極度のストレスによる過呼吸でしたが、大事には至りませんでした。
その事件があってから、女子社員の退職も増えました。
・まとめ
とにかく、ミスが許されないので雰囲気が悪く、楽しく仕事が出来ませんでした。
退職者が増えても、社長は変わりません。
私も、精神的に辛くなって4年で退社しました。
今でもその会社はあります。社長が改心していることを願います。