辛い体験

人生を諦めなくてよかった

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私は20代前半で結婚し、2年後に初めて妊娠しました。
ところが妊娠がわかって2週間くらいで稽留流産.(胎児の心拍が確認できない状態)になり、喜びもつかの間に処置の手術を受けることになりました。
これだけでも悲しかったのですが、さらに2回も初期流産が続きました。「なんで私ばかり…」と悩み苦しみました。


もともと基礎体温を測っていて月経のリズムが少し乱れていたので、検査を受けて不妊治療を受けることにしました。
流産を繰り返しているのに不妊症は軽度とのこと、ホルモン剤の投与で1年後にまた妊娠することができました。
結婚して5年目に入る時点です。

その時は前回の妊娠とは違い、心拍も確認でき、つわりもあり、明らかに赤ちゃんの成長が順調な感じはしました。
そして妊娠12週の定期検診を受けると、超音波画像で2頭身のかわいい形に成長している赤ちゃんを見たのです。
それまでは丸い形しか見たことがなかったので、ここまで成長できてとても感動しました。

「もう大丈夫ですね」と先生が言ってくれたのですが、その2日後に今思い出しても辛い出来事が起こったのです。
2日後、急に生理痛のような強い下腹部痛が始まり、トイレに行くと出血が起こっていました。
そこで切迫流産とのことで緊急入院することになったのです。
点滴を受けましたが、腹痛は強くなり陣痛のように数分おき激痛が起こります。
さらに40度の高熱も出て、病室で2日間苦しみました。
その後、流産。

超音波画像で赤ちゃんの成長を確認して幸福の絶頂にひたっているところから、一気に地獄へ突き落とされた気持ちがしました。
流産の原因ははっきりしませんが「菌に感染したのではないか」と言われ、流産後は本当にショックで生きた心地がしませんでした。
病室はほかにもさまざまな疾病の患者さんがいて、苦しんでいるときにナースコールを推してくれる患者さんがいたことはありがたかったですが、妊娠後期の幸せそうな妊婦さんが入院してきたときは「個室に移って一人で泣きたい」とずっと思っていました。

また、流産した後は、体調が悪くても、ほかの病人とは違い周囲がいたわってくれることがありません。
周囲から「子どもを産め、産め」とは言われ、職場は不妊治療の通院のため早退もしていたので、報告しても視線は冷ややかに感じられました。
しばらくは「また期待を裏切った」「役立たず」という目で見られているようで、余計に辛くなって「自分も高熱で死ねばよかった」と思い詰めていました。

結局、仕事と不妊治療を辞めたところ、なぜかすぐ自然妊娠し、特にトラブルなく子どもが1人生まれました。
その子どもも1月に成人式を迎えました。
 あの頃のことを思い出すと、子どもが無事に生まれて成人になる日を迎えられたことが本当に嬉しく「人生を諦めなくてよかった」と痛感させられます。 
これは本当にサプライズの素晴らしい授かりものです。 

不妊治療をしているカップルは増えていて、成果がなかなか出ない人、とても辛い思いをして頑張っている人のお話もしばしば耳にします。
私より辛い思いをしている人のほうが多いと思いますが、必ずしも困難ばかりではなくサプライズのようなプレゼントも届きます。
ぜひ悲観し過ぎず、体は大切にしていただきたいと思います。

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