私がいつも行くワイン居酒屋があります。
そこは個人経営で味も抜群、値段も手ごろ、店主も気さくな方なので通っているうちに常連さん達と仲良くなり、そのワイン居酒屋で集まったり、他の店を紹介しあったりと、とてもいい大人の友達関係を築いていました。
最近、たまに見かけるようになったA夫妻に話かけたら夫婦共に人柄が良くて良く食べ良く飲む気持ちのいい人だったので、私の常連仲間にも紹介しました。
しかしこれがトラブルに発展するとは全く考えていなかったのです。
私が初めてA夫妻に話しかけた時、お仕事の事を聞いたらネットワークビジネス(連鎖販売取引)をされているとの事でした。
私自身はネットワークビジネスに抵抗があったのですがA夫妻が心からその会社の製品を愛している事が伝わってきたため、私はネットワークで稼ぐつもりは全くないので、ただの製品ユーザーとして彼らのビジネスに協力しました。
その後何度か顔を合わせた時にA夫妻から「○○さん(店の常連仲間)にはこのネットワークの話しないの?」と聞かれた事がありましたが、私自身が勧誘する気がないこと、世間にはネットワークビジネスを良く思わない人もいることを話しました。
その話はそれ以降出ることはありませんでした。
その店には私は大抵決まった曜日の決まった時間に顔を出すのでいつも会う常連さんが決まっているのですが、ある時を境にしばらく顔を見ていない事に気づきました。
仕事が忙しくて来ないのかな、と軽く考えていたのですが、会わない事が続いたので店主にその事を言うと、店主は少し言いにくそうにこう話したのです。
A夫妻が私のいない時に常連さん達にネットワークビジネスの話を持ち掛けていたらしいのです。
常連仲間も△△さん(私の事です)が入っているなら、と付き合いで何人か加入した人もいたらしいのです。
私は店の古くからの常連で常連同士で何かイベントの企画をする時はまとめ役をしていたので、言葉は悪いですが私の信用を使って勧誘したのです。
だから最近顔を合わせなくなったのはネットワークに対する拒否反応やA夫妻の勧誘がしつこいから時間帯を避けていたのだと分かりました。
しかし一番面倒な事はA夫妻はこのネットワークビジネスを心から愛しており、心からみんなに広めたいという悪意が一切ない事なのです。
少しでも悪意があれば注意出来ますが、悪気がない人に話をしても伝わりにくいでしょう。
あぁ楽しい酒場の集まりでこんなトラブルが起こるとは思いもしませんでした。
ネットワークビジネス・トラブル