結婚後しばらく子どもができずに悩んだ末の第一子誕生でしたが、健康体で生まれてくれたものの、なかなかの苦労を伴う子育てでした。
男児だったので一般的に動きが活発で体力的にきついとは聞きますし私の兄弟や親戚の男の子を見ていても感じることではありました。
ですが我が子はそれにもまして手のかかる子どもでした。
とにかく目が離せないほどじっとしていないし、体力も好奇心も旺盛で誰に対しても遠慮がなく自分の思うままに行動する子どもでした。
小さいころからかなり振り回されてきましたし、成長するにつれてさらに自己主張も激しくなってきました。
親や周りの大人が注意をしても子どもなりの考えで自分が理解して納得しないと全くいうことを聞かず、きつく叱っても言い返してこちらの精神力がかなり削られました。
小学生くらいまではまだ体格や体力で親の方が勝っているので、いざとなったら実力行使でわがままをやめさせ、その後に落ち着いて話すということができましたが、中学生くらいになって体格も良くなってくると、もう体力でも親には負けないと、注意しても強気に反抗してくるようになりました。
気に入らないことや自分の理解を超えることについては、いくら教え諭そうとしても聞き入れずに騒ぎ立てて暴れたりしました。
中学生男子の体力ですから、本人の思う以上に力が出て、部屋のものが壊れたりしました。
そんな時にはついこちらも声を荒げてしまうのですが、だんだんとそれは逆効果ではと思うよになりました。
興奮して騒いでいる時にいくら正論をぶつけても聞く耳を持たないですから、まずはなだめるように努めました。
それがはた目には甘やかしているように見えたようで、私が批判されることもあったりして辛かったですが、今の息子は騒いでしまう病気なんだと思うようにして、これは思春期特有だから数年で治るんだと自分に言い聞かせて頑張りました。
もちろん全て息子の好きなようにさせていたわけではなく、機嫌のよい時を見計らってはチクリと注意の言葉を掛けて気づかせるなどしましたし、息子も騒ぎ過ぎてまずかったと思うところもあるようで、たまには反省の色を見せたりもしました。
このような状態が数年は続き、時には親子で危ないくらいに興奮して喧嘩もし、お互いの主張をぶつけ合ったりもしました。
私がつらかったのは息子の行動だけではなく、なだめている私の態度が甘やかしだと批判する夫や親戚の態度でした。
もしもあの時に私が正論を振りかざして息子と正面からぶつかり合ったとしたら、大変なことになっていたのではと、当時の自分の行動が間違っていたとは思いません。
体力的にも精神的にも相当に苦労させられた子育てですが、さすがに息子も成長して大人の顔を見せるようになりました。
やっぱり子育てには我慢はつきものだと思います。