食事の介護の苦労
介護で食事を与えるとき、最初は食べてくれないことがありました。
固さが悪いのか、おいしくないのかなど、いろいろと考えてみたのですがわかりません。
・介護食は手間がかかります
介護食を用意するだけでも大変です。
噛む力や飲み込む力が弱いので、細かく切ったり、柔らかくしたりして噛みやすくし、とろみなどをつけて口の中でまとまって飲み込みやすいようにしたりなど、工夫をする必要があります。
普段こういったものを作らなかったので、料理をするだけでも一苦労です。
野菜だったらみじん切りぐらいの小さくします。これを柔らかく煮込みます。
人参やかぼちゃは、ペースト状にすることもあります。
家族とは違ったものを用意する手間もかかります。
そして、苦労をして作ったものを食べてくれないとがっかりします。
時間をかけて調理をしたのは何のためだったのかと考えてしまうこともありました。
・介護される側は恥ずかしさや恐怖がある
でも、どうして食べてくれないのでしょうか。
考えてもわからなかったので、書籍をいろいろと読んでみたり、講習に参加したりして勉強してみました。
そこでわかったことが、介護をされる側は恥ずかしいということです。
大人が大人に食べさせてもらうのは恥ずかしいです。
口を開けている姿は間抜けに見えてしまい、こういった姿をさらけ出すことに恥ずかしさがあるようです。
そして、何を食べさせられているのかという恐怖もあります。
次々と口元に食べものを持っていかれては、何を食べさせられているのか、食べさせられる側はわかりにくいです。
異物を口の中に入れることには恐怖を感じます。
・声かけをする、量を考える
こういったことがわかってからは、食べさせ方に工夫をしてみました。
やってみたことは声かけです。
「次、これを食べましょうね」といったことを声かけして、恐怖心が少なくなるようにしました。
これでもあまり食べてはくれなかったのですが、声かけする前よりは食べていると思います。
やはり、恐怖心があったのでしょう。
それから他に苦労をしたことは、一口の量です。
私が適切と思う一口と、介護される側にとっての適切な量は違います。
噛む力や飲み込む力が弱い人にとっては、私にとっての適切な量が多いこともあります。
そういったことを考えながら与えないと、誤嚥を起こしてしまうかもしれません。
量が多いときには、怒りを見せることもありました。
声かけをする、量を考える、食事をさせるだけでも、いろいろと考えなければならないことがあります。
普段自分は何気なく食べていますが、食べさせることは大変だなと感じています。