命の危機

山菜採りに行って命の危機

以前、1人で山菜採りに行った時のことです。よく行く山だったので、特になんの心配もなく、ほんの数時間で帰ってくるつもりだったのです。
自転車に乗って気楽に出掛けたため、持っているものといえば、軍手とかビニール袋とかそんなものばかりでした。
山菜は、思ったよりも採れなくて、私は諦めて帰ろうと思いました。

ですが、目印の樹がどこにもなかったのです。あれ?と思ってそのまま歩いていくと、見たことのない場所にたどり着いていました。
こういう時は、元きた道に戻るべきだと思って、私は急いで元の道へと戻ったのです。
でも、その元の道すらどこかわからなくなってしまい、私は完全にパニックに陥っていました。
スマホで連絡すればと思ったのですが、まさかの充電切れ。これでは、誰にも助けを求められない。
私は、しばらくそこから動けませんでした。ですが、立ち止まっていてもなにも始まりません。
私は、とりあえず先へと進まないとと思うと、できるだけ道の広い場所へと出てみようと思ったのです。ですが、周囲をよく見ないで歩いていたため、僅かな段差に躓いて、そのまま緩やかな斜面を転がり落ちてしまいました。

気がつくと、斜面が遥か上に見えて、立ち上がろうとすると足首に激痛が。どうやら、捻挫をしたみたいなんです。
「誰かーっ、誰かいませんか?」
もう、恥ずかしさとか関係ないと思って、声の限り叫びましたが、誰の返事もありませんでした。
絶望とは、こういうことなのかと感じました。自然と涙が込み上げてきて、私は自分はもうここで人生を終えるのかと思いました。
ですが、チャンスが訪れたのです。人の声がするんです。どうやら、数人の男女がいるみたいで、大声で笑ったり話したりしています。
「すみませーんっ。ここですっ、ここっ」
私は、人生のなかでこれほどまでに叫んだことがないぐらい叫びました。ですが、声がどんどん遠ざかって、しまいには聞こえなくなってきました。
「人がいるんですっ。聞こえないんですかっ」
思い出すと理不尽なのですが、私に気づいてくれなかったその人達に怒りを感じました。楽しそうな笑い声にも、訳もない怒りが込み上げてきたのです。そして、改めて命の危機を感じました。

近くに川もなく、水で冷やすこともできず、足首はどんどん腫れてきて、履いている靴さえ窮屈に感じました。
私は、痛めた足を引きずるようにして、斜面をなんとか上がり、這うようにして道を進みました。かなり進んだ時に、私を呼ぶ声が聞こえてきました。
あまりにも帰りが遅い私を、両親が方々探してくれたのです。ホッとしましたが、こっぴどく叱られました。
この時の教訓としては、スマホの充電はしっかりと確かめることです。
そして、普段行き慣れているからと山を甘くみないことでした。命の危機は、意外と身近にあるんだと感じました。

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