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旅行先の湖で父親とボートに乗っていたら命の危険にさらされる

秋は紅葉の季節ということで、私は家族と一緒に東北の方へと旅行に出かけました。季節は10月の半ば。東北ということだけあって、標高の高い場所は夜になると気温がマイナスになるほど寒くなります。そんな場所は地元の食材を使った郷土料理も美味しく、温泉も源泉に近いので、とてもお湯がきれいです。

澄んだ空気も美味しく、山々も美しく紅葉していました。その光景を見ながら露天風呂でゆったりと入浴していました。たっぷり、食事になるまで2時間ほど露天風呂を楽しみ、すっかり体も軽くなり、さらには腰痛まで治って、気分もリフレッシュ。

食事を食べ終えて、ぐっすりと寝て、次の日の午前中からさっそく観光をしに出かけました。旅館の近くにある大きな湖で家族と写真を撮ったり、絵画などを描いて遊びます。

「ね、天気もいいからさ、船に乗ってみようよ」と両親を誘いました。「お、いいね」と父親も乗り気です。「一緒に行ってきなさい」と母親は車で待っているとのこと。

私と父親はさそっく船乗り場へと向かい、乗り込みました。他に数人の乗客を乗せた船はしだいにスピードが出ていきます。「楽しいね!」「そうだな、お父さんも初めて乗ったよ。ほら、あそこの山、きれいだな」と会話をしながら湖を一周します。

湖の真ん中あたりに来た時、山々の色づく紅葉に感動していたとき、急に突風が吹いてきました。「あ!」被っていた帽子が飛んで、湖に落ちてしまいそうになり、私はとっさに掴もうと柵から身を乗り出します。

その瞬間、柵から転げ落ちるようにして水の中に落ちていく私。父親が驚きの表情で「大丈夫か!?」と叫んでいるのを聞いた船員が走ってきます。

「ああ、助けてくれるのね」と安心したのも束の間、別の小型船がこちらの方に向かってくるではないですか!小型船の上から人がこちらに向かって「どいて!」と叫ぶのです。

船長は停止した船を走らせると、そこに小型船が通り過ぎました。バシャンッツと豪快な水しぶきをあげながら。

その水が頭からかかってきて、二度もビシャビシャに濡れてしまいました。

季節は10月の半ば。湖の水の温度もかなり低く、もう心臓が止まりそうに。みるみる寒気と悪寒に包まれて、意識が遠のき、命の危機にさらされてしまったのです。足の感覚は失われ、硬直していきます。

しかし、もう駄目だと思った瞬間、浮き輪が頭に当たり、意識が戻りました。「大丈夫ですか!?」ボートに乗った男性が助けてくれました。黒く日焼けした男性に抱きかかえられて、小型船の上へと助けられます。

あと少しのところで溺れて死にそうになった私は、命が助かって本当に良かったと思いました。