55歳まで近くにあるスーパーでパートとして働いていましたが、立ち仕事に負担を感じるようになったので退職することにしました。
仕事をしている時はお給料がもらえることは嬉しいものの、仕事に行くのが嫌で、一日中ずっと家で過ごしたいと考えていました。
しかし実際に家にいる時間が長くなると暇で、テレビを見ることにも飽きてしまいました。
そんな時にローカル紙に陶芸教室の生徒募集を見かけたので、興味を持ちました。
以前、京都に旅行に行ったときに、一日体験で陶芸をしたことがありました。
その時は小さなお皿を作りましたが、釉薬(ゆうやく)を塗られて焼いたものは味わいが出て、今でも使っているくらいお気に入りになりました。
とても楽しかった思い出があるので、本格的に勉強をしてみたいという気持ちから連絡をすることにしました。
生徒さんはどんな人達がいるのだろうかと思っていたら、ほとんどが定年退職を迎えた人ばかりで、平均年齢は70歳をこえていたと思います。
そんな中で自分は若いとして歓迎してもらうことができたので、ここで頑張ろうと感じました。
趣味として始めた人ばかりですが、作品を見せてもらうと本格的なものばかりで驚かされました。
10年近くも習っている人がいて、先生をしのぐほどの出来になるものもあるということを知ると、俄然やる気がわいてきました。
ろくろの使い方を基礎から学びましたが、見ている分にはとても簡単なのに、やってみるとすぐに土がつぶれてしまいます。
先生に習いながら、ろくろの回し方も少しずつ板についてくるようになると、楽しくて仕方がなくなりました。
土の状態が天気や湿度によっても違うということが、手の平で触るだけでわかるようになったときは、上達したことを実感しました。
最初はお皿や持ち手のないカップなどを作っていましたが、少しずつ複雑な形の花瓶などを作れるようになったら、家の中も自分の作品であふれるようになりました。
飾ったり使うには限界がありますが、それでも創作意欲は衰えることが全くありません。
他の生徒さんも同じだということで、先生と話し合ってフリーマーケットに出品することにしました。
フリーマーケットの特設会場で、生徒が作った作品を飾り、そこにお客さんが入札して一番高い価格で提示した人が落札できる仕組みになっています。
自分の作品が落札されなかったらどうしようという心配がありましたが、3つ出品したら全て落札されました。
しかも想像していたより高値で買ってもらえたので、趣味で始めたのでお小遣い稼ぎにもなり大満足です。
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