私が今日お薦めしたい本は9番の自己啓発本である「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」です。
この本はTEDでおなじみのスタンフォード大学の心理学教授ケリー・マクゴニガルが書いた一冊で、心理学や神経科学を使ってストレスに対処する方法を知ることができます。
元々前作が70万部を超えるベストセラーになったことから発売前から高い注目を集めていた本書ですが、中身は現役の学者が書いた本にふさわしい専門書となっています。
本の中身はタイトルにある通り、ストレスは考え方次第で力に変えることができる、という理由を世界中で行われてきた研究結果を引用しながら理論立てて話しが進んでいきます。
本の見どころはなんといってもストレスを力に変えるその理由がわかることです。
実際に人がストレス反応を受けたときはコルチゾールとテストステロンというストレスホルモンが大量に分泌されることがわかっていますが、ある考えを思い浮かべるだけでストレスホルモンが体にポジティブな結果をもたらすと本書では述べられています。
その考えこそが、ストレスは力に変えることができる、というものです。
実際に実験参加者に圧迫気味の疑似面接を体験してもらい、その考えを思い浮かべたグループと何も思い浮かべなかったグループにわけて面接後のストレスホルモンを計測したところ、ストレスは力に変えることができると思い浮かべた実験協力者はポジティブな生体反応を記したそうです。
ただ、実験はどれもストレスがかかるものなので実験協力者は人間だけでなくマウスであることが多かったですが、書かれている内容はかなりタメになります。
私の周りでは30代というと結婚や出産、職場の役職の就任などでストレスが溜まる日々を送っている人が多いです。
そのため、この本は30代になってストレスに押しつぶされそうな人にこそ読んでもらいたい一冊となります。
著者はストレスがポジティブになる考え方のことをマインドセットと呼んでいますが、どちらかというと、ストレスは体に悪いものだというマインドセットを持っている人が多い気がしています。
実際に私もストレスに出くわしたときは一刻も早くこのストレスから逃れたい、と思いますが、この本はそんなマインドセットを変えてくれる一冊です。
もちろん、ストレス解消自体は悪いことではないですが、ときにはどうしてもストレスが消えないときもあるはずです。
そんなときはこの本を読んで、自分が知らなかったマインドセットを身に付けてみて下さい。