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慈雨、刑事の苦悩についてを描いたストーリー

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物語は、定年退職した刑事が、何度も見る悪夢の内容から始まります。それは、主人公が過去に救うことが出来なかった、幼女強姦殺人事件について。

悔しい思いが胸を巣食ったまま、定年退職を迎えた主人公は、長年、心に決めていた遍路行脚に出掛けます。過去に救えなかった、事件の被害者を弔う為に...

妻と共に出掛けた遍路の道中で、またもや、幼女強姦殺人事件が起こります。その手口は、主人公が未だに悪夢に見る事件と、酷似していました。

しかし、犯人は服役しているはず...警察は、血眼になり新たな事件の犯人を探しますが、手掛かりひとつ見つけることが出来ません。退職した刑事、そして若き力を持つ刑事...それぞれが苦悩しながらも、力を合わせて、なんとか事件を解決してゆく、そんな姿が、事細かに描かれているのが、今回、私がお薦めしたい、慈雨、です。

この小説の面白い点は、他の小説と違い、犯人視点、被害者家族視点、マスコミ視点などの、ミステリー小説なら、必ずと言って良い程描かれているこれらの視点が、全く描かれていない事です。ただひたすらに、退職した刑事と現役刑事の視点で、物語が進んでいきます。

その為、読者としては、漠然とした犯人への怒りと、逮捕出来ない事への焦燥感が募ります。このような、躍動感溢れる小説は珍しいのでは無いでしょうか。

また刑事として、一生を全うすることの大変さと、家族の負担など、これまで気にもかけていなかった事まで考えさせられます。なにより、この退職した刑事の過去と、序盤から登場する娘の関係に、アッと驚かされる仕掛けがあります。

そして、この娘と現役刑事は、恋仲にあるのですが、ここでも、父親としての葛藤があります。上司として認めている若者、しかしながら、苦労が目に見えているからこそ、娘を刑事の嫁にしたくない、と言う思い。父親の愛情にも気付くことが出来る作品です。

物語の中盤に、事件はグッと展開し、犯人逮捕へと漕ぎ着くことに成功します。しかし、この犯人を捕まえるということは、過去に解決したはずの幼女強姦殺人事件が冤罪であることを証明する、という問題が浮上しました。

冤罪事件となれば、退職した刑事も責任を取らなければなりません。しかし、犯人を野放しには出来ない...

様々な思いが交錯し、犯人と対峙したとき、自分ならば、どうするか。絶対的な正義である、警察、刑事の視点で事件を追うことが楽しめる作品です。ぜひ一度、手に取ってみてください。

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