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お薦めの本

「猫を抱いて象と泳ぐ」は清らかな時間の流れを感じる物語。

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私がお薦めしたい一冊は、「猫を抱いて象と泳ぐ」という題名の本で、作者は博士の愛した数式でお馴染みの小川洋子さんです。

主人公は天才チェスプレイヤーのミステリアスな少年なのですが、小川洋子さんならではの独特な雰囲気で優しい世界の広がりを描いた作品です。本当に実在するようなチェスプレイヤーの少年がチェスに目覚めたきっかけからその少年の静かな最期まで目が離せない内容です。

主人公は口を閉じた状態で産まれて来ます。手術によって口を開くのですが、その口に産毛が生えてしまいます。それが最大のコンプレックスとなったのですが、それが故に孤独なチェスプレイヤーへと成長します。身体の小さな少年はチェス盤の下へ潜り込み一手を考えるというユニークな戦法で能力を発揮します。

このようなチェスプレイヤーのお話なのですが、普段喧騒の中で暮らす私にとっては寝る前に読むこの本はどこか懐かしいような、静かな田舎を思い出させてくれるような感情を覚えました。就職のために田舎から上京した私はなにか無意識のうちに疲れていたのかもしれません。実際は結構分厚い本なのですが、中盤に差し掛かりもっとこの本が続いてほしいと願ってしまうようなものでした。

猫を抱いて象と泳ぐという題名からはチェスプレイヤーとなにも結びつかないことでしょう。実際に私も最後まで読み通し、一通りの感動を味わった後、結局猫と象とは...となりました。そして不思議と知らず知らずのうちにうちにまた1ページ目をめくってしまうのです。そこに大きな魅力があると感じました。

少ない登場人物で静かに燃え上がるような感情が描かれた作品は数少ないように思いますが、それらを丁寧に描かれた作品がこの作品であるように思います。私は実際にチェスのルールは知りませんでしたし、チェスそのものを見たことがありません。そんな私でも一語一語を読むだけで脳内に情景が思い浮かぶようなそんな素晴らしい作品でした。

この本の面白いところ、見所はピンポイントで書くというのは至難の業なように思います。ピンポイントでココ!というのではなく、表紙から裏表紙まで存分に隈なく全てというのがおもしろい箇所のように思います。死と隣り合わせに生きる少年を読み進めるにつれて、私は自分の死や身近な死についての考え方が言葉では言い表せないなにかが変わったように思います。

上手く伝えることができませんが、死とは怖いものではなく、その先にある何かなのかも知れません。少年の最期はえっっと思うような最期なのですが、この小説を読了したからこそ受け止められるものであり、私たちに大切ななにかを訴えかけるもののように感じました。

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